私が小学生~中学生くらいの頃、毎月購読していた漫画雑誌「りぼん」で連載されていた。
当時まだ子供だった私には絵も内容も大人すぎて理解できず、ほとんど読んでなかったと思う。 所々、なんとなく記憶に残っていたシーンがあったくらいで。 数年前、文庫本化されているのを発見し、一条ゆかりの文庫本を集めていたのもあって「今ならさすがに理解できるだろう(笑)」と買ってみた。 そして見事にはまった(笑)。 もうね、何回読み返したかわかりません。 読み返すたびに同じ所でボロボロ泣いてしまいます。 というか最初から最後まで泣きっぱなしです。 なんなんだ、この始終漂う陰気さは。 主人公のナタリーは、お金持ちで、童話作家としての名声も手にしていて、素晴らしい友人達に囲まれて大切に思われていて、16才も年下の王子タイプの美少年に情熱的に求愛されて・・・。 なのになんでこんなに不幸なんだ。 タイトルの意味は、物語序盤の以下のシーンに象徴されています。 砂浜で砂の城を作って遊ぶ、まだ幼い少年のフランシス。 お城を作ってもすぐに波にさらわれて崩れてしまう。 でも波の届かない安全なところでは砂が乾いているから作れない。 「皮肉なものね、安全な所では作れなくって作れる所では波がさらってこわすなんて。 まるで・・・人生を作っているみたいね。 人生なんて砂の城のようなものかもしれないわね。作っても作ってもいつの間にか波がさらってしまう。いつも同じ事のくりかえし・・・。 誰もが・・・そうして年をとっていくのかしら」と悲しげにつぶやくナタリー。 この言葉通り、ナタリーは幸せをつかんだと思ってもすぐに足下をすくわれて不幸のどん底に。 これを繰り返すうちにどんどん心をむしばまれ、最後の最後でようやく本当に幸せになれるんだと読者もホッとしたところで・・・こんなラストってあり~~~~~?! (;□;) キラキラなブロンズの美少年フランシスが、そりゃぁもう幼い頃からひたむきに一途にナタリーだけを愛してるわけですよ。 こんなに愛されるなんてうらやましい・・・なのにそれを信じきれないことがナタリーの不幸のすべて。 不幸な目にあってばかりだからしょうがないけど、いい加減じれったくなります(^^; 古い漫画ですが、悲恋物の定番だと思います。 どっぷり浸って泣きたい方にオススメ。 フランスのとある町の富豪の家に生まれたナタリー。 ナタリーが生まれた日にナタリーの家に引き取られた孤児の少年・フランシスと兄妹のように育つ。 やがて恋仲になり結婚を考えるが、身分の違いから仲を引き裂かれそうになり、二人一緒に海に身投げ。 しかしナタリーだけ助かってフランシスはそのまま行方不明。 数年後フランシスが発見されるが、身投げ時の怪我が元で記憶を失ったフランシスは既に他の女性と結婚して一人息子と3人で暮らしていた。 ナタリーとの再会で記憶を取り戻すがその直後に事故死、妻もショックで自殺。 残されたフランシスの一人息子を後見人となって引き取り、フランシスと名付けて一緒に暮らし始めるナタリー。 かつて激しく愛したフランシスの面影をそっくり残しながら、ブロンズの髪は母親譲りのフランシス少年の姿にナタリーは苦しむ。 愛したいと思いながらも母親の話題が出るたびにフランシスに冷たく当たってしまう。 わけがわからないまま、ナタリーに愛されたい、ナタリーのそばにいたいために、母親の思い出を封印することにしたフランシス。 やがてナタリーと自分の両親の間に起こった悲劇を知り、自分と母親がナタリーの幸せを奪ってしまった、これからは自分がナタリーを幸せにしたいと強く願うようになる。 幼い頃からナタリーだけを見てナタリーだけを愛してナタリーを守れる男になることだけを目標に成長していくフランシス。 友人の妹であるミルフィーヌという美少女に出会い愛されるが、フランシスはあくまでも妹代わりとしてミルフィーヌを可愛がる。 若いミルフィーヌに嫉妬するナタリーは、このままだとフランシスを縛り付けてダメにしてしまうと考え、単身アメリカに渡ることを決意。 そこで知り合った男性と恋に落ちかけるが、数年後には結局フランシスの待つフランスへ戻る。 再会したものの、どこかぎくしゃくしているナタリーとフランシス。 すっかり大人の青年に成長したフランシスを前に、死んだフランシスの身代わりとして見ているのかそれとも今目の前にいるフランシスを愛してるのかわからずナタリーは混乱するが、「父の身代わりでもいいからナタリーと一緒にいたい」と言うフランシスの熱い求愛をとうとう受け入れ、再び一緒に暮らし始める。 情熱的に愛を語るフランシスにナタリーの固く閉ざされた心も開き、二人で甘く幸せな日々を送るが、嫉妬に燃えたミルフィーヌの思わぬ行動にまたもや暗雲が立ちこめる。 優しさからどうしてもミルフィーヌを見捨てられないフランシスに対し、次第に懐疑的になっていくナタリー。 そしてさらなる悲劇が・・・。
by kaokaopon
| 2005-06-13 01:26
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